隘路も邪路も道は道

「お、俺は、こういうことをあまり、知らないが」
「ああ」
「それにしたって、ここでやめるのは――っ」
「……やめるのは、なんだ」
「あ……あんまりだ、サガット……」

 そう言って、まるで見せられないものを隠すように自身の顔を手で覆ったリュウのことを、サガットは堪らない気持ちで見つめた。生娘でもあるまいにと言ってやることもできたが、しかしこの反応は全くもって生娘のそれだ。まさか“男”にもならないまま抱かれようとしているのかと聞いてやることも勿論できたが、さすがにプライドを尊重してやった。一昔前なら遠慮無く口にしてリュウの心ごと抱き潰しもしたのだろうが。
 ――いや、そもそもこうして情を交わすことなど有り得なかった。
 兎も角、だ。
 兎も角、このままでは終われないという彼の主張には帝王も同意見だった。
「ではどうする」
 リュウよ。サガットは己でも信じられないほどの甘さで終生の好敵手の名を呼ぶと、半端に解れた後孔に再び指を差し入れた。サガットの指一本を受け入れるだけで一杯の――その男の指は成人男性の平均からかけ離れているものの――そこが、ぎゅっと締まる。
「そう力むなと何度言えばいい」
「し、知らない。勝手にこうなるんだ」
 すっかり求道者然とした彼の口からあまりにも幼い物言いが出てきたものだから、サガットは思わず笑みをこぼす。リュウにそれを訝しがる余裕も無いことがわかると、今度は肩を震わせる。この調子では朝までかかると呆れながら、しかし不思議と悪い気はしていなかった。

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