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*さずにはいられない
爪の中に肉と血が残っていたので、いつものように口へと運んだ。あの執事は役に立つときと立たないときがある。獣が毛繕いをするように舐め取れば、ざわつく心が穏やかになった。物足りなさを覚えながらもどうしてこんなことをしているのだろうと疑問を... -
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もしもおまえが悪魔でも
「おや、……おやおや」 明け方――アスタリオンが狩りから野営地に戻ると、片隅に丸々とした兎が一羽居た。アスタリオンは自身の牙を隠そうともせず大胆に近付くと、無防備に鼻をひくつかせるだけの兎を一気に捕まえてしまう。暴れもしないその獣は、無論、... -
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不具合イイ具合
ロイスの趣味は理解に苦しむ。 メガビル解体現場の只中に置かれたような“騒音”はインプラントへ遠慮無しにべたべたと触れるように響いて、メタルとメタルの繋ぎ目は不愉快にビリビリと共鳴する。生身の部分まで震えてくるような感覚に、Vは吐き気を催... -
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翼のない鳥、鰭のない魚
海岸へ流れ着くものに意思は無い。 辿り着いた無辜のものたちは、無辜ゆえに自らの手段を持たない。誰かに拾われるか、再び攫われるか、風化するか。 桟橋で釣り糸を垂らしながらただ見つめる風景に、劇的な変化を期待するつもりは無かった。それでも... -
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隘路も邪路も道は道
「お、俺は、こういうことをあまり、知らないが」「ああ」「それにしたって、ここでやめるのは――っ」「……やめるのは、なんだ」「あ……あんまりだ、サガット……」 そう言って、まるで見せられないものを隠すように自身の顔を手で覆ったリュウのことを、サガ... -
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多頭飼い
――鬼が増えている。 どういうことだ。と、F.A.N.Gは美しさを増した。いつしかF.A.N.Gをも呑み込むであろう毒蛇は、今はただ愛らしく三又の首を傾げるばかり。
