
爪先の向こうで世界は終わって
私のおじいさまは、世界でいちばんのおじいさま!
だって強くて、もちろん賢くて、とっても残酷で、すごく優しい。嫌なやつがいるのと言えば、月が昇るよりはやく消し去ってくれる。欲しいものがあるのと言えば、陽が沈むよりはやく手に入れてくれる。
綺麗な宝石、最新の被服、流行の装飾品。
そして忠実な側仕え――張遼に命じたのは、私の言うことをよく聞くこと。私の身を命に代えても守ること。ずっと。ずっとずっと、永遠に。
『いいこと、死ぬまでよ』
おじいさまは忠実なしもべを私にくれたから、お前は確かに頷いた。
――ああ、そうよ。私ったら、しくじっちゃったの。あのつまらない顔に誤魔化された。徹底的に跪かせるべきだったのに。
「張遼。……お前、返事もできないわけ?」
かつて、私のおじいさまはこう言ったの。
裏切り者の膝には地面が相応しい。その通りだわ。愚か者の体は縛り上げておかなければならない。抵抗するなら頭を切り落とせばいい。本当にその通り、やっぱりおじいさまは正しいわ。だからおじいさまの言う通りにすればいいの、そうすれば手に入らないものなんてない。……でしょう、おじいさま。手に入らないものなんてないのよ。月が昇るより、陽が沈むよりもはやく、いまはこうしてお前の首も、私の、私だけのもの。
「張遼」
おじいさま、私のおじいさま、おねがいがあるの。
側仕えが欲しいの。言うことをよく聞いて、一夜で千人を殺せるほど強くて、いつだって凛々しくて、身丈も立派で、あいつらみたいにうるさくなくって、私だけの、優秀なしもべの、真っ赤な血。血が、滴り落ちている。
お前の血が流れていく。
失われていく。わたしのおまえが。
これ以上どこへ行くというの。勝手な真似をしないで。そんなこと命じていないのに。お前はおじいさまからいただいた、大事な、私の……ああ……その目を開けたなら、今すぐ口を開いて私を褒め称えでもするなら、くちづけだけはしてやってもいいのに。
ああ、まったくつまらないかおよね、お前は――